【ジャパンカップ2016予想考察】キタサンブラックの東京コース適性についての見解

通算成績12戦7勝(7-1-3-1)、抜群の安定感を誇るブラックタイド産駒、キタサンブラック(牡4、清水久詞厩舎)。”サブちゃん”こと北島三郎氏がオーナーを務める馬で、馬主同様にファンを盛り上げるのが上手な馬です。

今年は秋初戦となった京都大賞典を快勝し、天皇賞はパスしてジャパンカップへ。年末の有馬記念への出走も早々と表明しており、前哨戦となるジャパンカップでは有馬記念が楽しみになるような好走に期待したいところです。

2走前の宝塚記念(3着)までは一度も1番人気に推されることが無かったキタサンブラックですが、前走の京都大賞典では初の1番人気に推され、この期待に見事に応えて快勝しました。2番手から抜け出したレースぶりは安定感抜群で、ジャパンカップへ向けて最高のスタートを切れました。

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ダービーでの負けが原因で東京コース適性を不安視する声も

大きく負けたのはドゥラメンテが優勝した日本ダービーの14着のみで、残り13戦はいずれも3着以内を確保している堅実な1頭です。となるとダービーと同じ舞台であるジャパンカップでどのような競馬をすることが出来るかというところに焦点が集まるでしょう。前走で2400mはこなせることが判明しましたが、今回は唯一大敗している舞台なので気がかりなのは当然です。

ダービーではスタートをやや出負けして出していきますが、内からミュゼエイリアンがハナを主張し、ペースが上がっていきスローにコントロールできずに先行集団をひっぱるかたちとなりました。ミュゼエイリアンの横山典弘騎手はある程度ペースを上げていこうという意図があったので、これが重なってしまったのは両馬にとって不幸となりました。結局最期は脚がなくなってしまってズルズルと後退していき、14着に敗れてしまいます。

ダービーの敗因は距離の不安ではなく、勝負所までに無理のない範囲で走れるスピードの範囲を越えてしまったことが最大の原因と言えるでしょう。キタサンブラックはゆったりとしたペースで進めることで長く脚を使っていた馬ですので、ダービーの58.8-59.4という厳しいペースでは失速して当然です。

つまり、東京2400mのダービーだから崩れたわけではなく、キタサンブラックのキャリアにおいてただ一度だけ崩れたのが”たまたま”東京2400mのダービーだったというだけだと言えることができると思います。コース適性よりもペースや展開の方が驚異と考えて予想した方がレース攻略に繋がるかもしれませんね。
今回ジャパンカップではゴールドアクター、サウンズオブアースといったトップスピード戦になった場合に強い相手がいますので、枠順や馬場を見て冷静に判断したいところです。

ジャパンカップで東京コースを不安視する声も多そうでしたので今回はキタサンブラックの東京のコース適性について考察させていただきましたが、皆様の競馬予想の一つの材料として参考になれば幸いでございます。

ジャパンカップ2016の出走予定馬21頭(うち外国馬3頭)|競走馬・想定騎手

国内現役最強馬を決める頂上決戦であるジャパンカップも今月末に迫ってまいりました。海外からの招待馬を含め、今年はどんなメンバーが集まったのでしょうか。

馬名 負担重量 想定騎手※
アルバート 57.0
キタサンブラック 57.0 武豊
ゴールドアクター 57.0 吉田隼人
サウンズオブアース 57.0 M.デムーロ
ジャングルクルーズ 57.0
シュヴァルグラン 57.0 福永祐一
ディーマジェスティ 57.0 蛯名正義
トウシンモンステラ 57.0
トーセンバジル 57.0 内田博幸
トーホウジャッカル 57.0 酒井学
ビッシュ 57.0 幸英明
ヒットザターゲット 57.0 小牧太
フェイムゲーム 57.0 北村宏司
ラストインパクト 57.0 川田将雅
リアルスティール 57.0
ルージュバック 57.0 戸崎圭太
レインボーライン 57.0
ワンアンドオンリー 57.0 田辺裕信
外国馬
イキートス 57.0 21-3
イラプト 57.0 22-3
ナイトフラワー 55.0 23-3

※騎手情報は随時更新していきます

今年人気しそうなのはキタサンブラック、ゴールドアクター、リアルスティールの3頭でしょう。

昨年のクラシックを賑わせたキタサンブラックは、現在7戦連続で馬券圏内に入っており安定感抜群です。秋初戦の京都大賞典では初めて1番人気に推され、見事に人気に応えて快勝しました。
距離は問題なく、消耗の多いレースは大歓迎。ただし、唯一の着外が日本ダービーの14着で、同じ東京2400mが舞台である今回のジャパンカップは鬼門となるでしょう。

昨年の有馬記念を優勝したゴールドアクターもここは得意な舞台です。東京2400mは1勝1回、2着1回、4着1回。2500mですがアルゼンチン共和国杯勝ちもあり東京は得意のコースです。
2走前の天皇賞・春ではイレ込みが敗因の一つでしたが、長距離輸送のない関東圏内のレースなら好走する可能性は高いです。派手さはありませんがきっちりと勝ち切れる脚をもっています。

リアルスティールも昨年のクラシックを賑わせたメンバーのうちの一頭です。前走は天皇賞・秋で惜しくも2着に敗れます。ドバイターフではR.ムーア騎手とのコンビで1着を獲りましたが、重賞10戦のうち2着入線が5回というシルバーコレクター。
主戦騎手の福永祐一騎手からドバイでムーア騎手へ、そして前走はM.デムーロ騎手へ乗り替わりとなりました。デムーロ騎手は今回サウンズオブアースに騎乗予定のため、どの騎手が乗るかが気になるところです。ムーア騎手とのコンビ復活も囁かれているので注目したい一頭です。

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今年の外国馬は3頭が参戦

イラプト(牡4、仏)とナイトフラワー(牝4、独)は昨年に続いて2度めの参戦となります。昨年のジャパンカップの結果はイラプトが6着、ナイトフラワーが11着に敗れています。
もう1頭のイキートス(牡4、独)は今年独のG1・バーデン大賞を優勝。しかしその後はG2のオイロパ賞で5着、前走の独G1のバイエルン大賞で4着と着順を落としています。

カナダのG1・カナディアンインターナショナルSを優勝したイラプトが今年は調子が良さそうなのでリベンジがどうなるかは面白そうですが、今年の海外勢も正直小粒感は否めません。

外国馬ではもう一頭、オブライエン厩舎のハイランドリール(牡4、愛)がジャパンカップか香港国際競走の両睨みでしたが、BCターフを優勝した後に香港へ進むことを発表しました。
賞金額も世界的に見ても高く、IFHAが発表したトップ100G1レースでは7位にランクインしているジャパンカップですが、まだまだ素通りされることが多く、もう少し工夫をしないと大物海外馬の来日はなさそうですね。

日本競馬JRA最高峰のレース・ジャパンカップ

今年で第35回を迎えるJRAのジャパンカップ。ジャパンカップと言えば、競馬のみならずロードレースや空手、ボウリング、ダーツ、はたまたポケモンなどなど。国際的に行われている競技の、日本最高峰の大会ではよく使用される名前なのではないかと思います。

その中でもジャパンカップと言えば競馬を思い浮かべるという方がほとんどではないでしょうか。日本の競馬と言えばJRAの運営する中央競馬と、各自治体によって運営される地方競馬の2種類がありますが、中央競馬は多数の高額レースを開催する世界でもトップクラスの競馬の運営者です。そのJRAの擁する数多のレースの中でも最も高額なレース賞金を誇るのがこのジャパンカップです。

今年の賞金総額は6億2400万円で、優勝賞金はなんと3億円にものぼります。また、世界的にも賞金額が上位のレースは更に高騰していく傾向にあり、ジャパンカップもご多分に漏れません。いずれは天井にたどり着くでしょうが、ジャパンカップは概ね世界上位5位程度の賞金額に位置づけられます。ちなみにほぼ不動の上位はドバイワールドカップで、優勝賞金約6億円とジャパンカップの二倍にもなります。

賞金と出走馬の比例関係

競走馬が全力で走るということにはある程度のリスクがつきものだというのはご存知のことでしょう。有力な馬にとって、一度のレースで稼げる金額が多いということは非常に重要になってくるため、優勝賞金が高いレースには世界中から名馬が集まる傾向があります。

特に顕著であるのが、もはや日本競馬界の悲願と言ってもよい凱旋門賞。格式も高く、歴史も古いこのレースは日本のみならず、欧州以外の各地からも熱い情熱が注がれます。

ジャパンカップ設立の目的が、海外から一流馬を招き、競争させることで、国内馬のレベルアップを図ることにありました。この目論見は見事に的中し、世界中から有力馬が集まり、日本競走馬にとって高い壁となり立ちはだかりました。

ところが、近年では国産馬のレベルアップが進んだことと、日本の馬場が欧州の芝と違い高速である=故障の発生率が高いことが危惧され、欧州・中東などから遠いことも災いし、有力馬の脚がどんどん遠のいていきました。

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今年の出走予定馬は?

凱旋門賞など日本から海外挑戦した際に優勝した馬を日本に招き、かたきを討つという流れもあったジャパンカップですが、近年ではちょっと格の落ちる三流どころが出走し、案の定馬券にも絡まず賑やかしで終わるというのが近年の主流です。

今年で言えばファウンドなどには招待を送るとは思いますが、受けてくれるかどうかは先方次第。もしも来てくれたなら盛り上がりますが、傾向としては難しいのではないでしょうか。

有力馬にとっては、1つのレースで稼げる金額が高いほうが良いというのは先述のとおりですが、やはり遠い海を渡り、勝率の低いレースに出走するというリスクと天秤にかけるほどの賞金額を捻出できていないというところでしょうか。

反面、ちょっと格の落ちる二流馬にとっては多少のリスクを取ってもほしい高額レースではあります。日本からはキタサンブラック、ラブリーデイ、ゴールドアクターなどが出走してくると思います。

天皇賞(秋)が近年まれに見る好カードだっただけに、ジャパンカップがあれほど盛り上がる出走馬に成るか?やはり海外で成績を残したモーリス・エイシンヒカリがいてくれたことが天皇賞での盛り上がりにも繋がったと思います。

国産馬で海外成績を残した馬と言えばあとはリアルスティールなどが出走してくれることでしょう。とは言え、やはりジャパンカップには海外からの刺客がどうにかほしい所ですね。